COMMENT
アーティストコメント
バンドというのはその実態が生き物であるが故に長い活動を経て大なり小なり円熟を遂げるもので、それは良くも悪くも人が歳をとるということでもあるし、それと共にあらゆるものが変容を遂げ、戻らぬという美しさ。 そこが芸術に平面的な善し悪しだけでは語れない乱数もたらすファクターである事もまた事実です。 だからこそバンドはライブをする生き物であると言えるでしょう。 もとよりジャケットにネクタイを締めても、「スーツ」というより「ブレザー」に見えるような青さが眩しい三人だったのが、時を経て徐々にスーツ感の方が勝ってきている所にやはりデビュー10周年の年輪を感じてなんとも味わい深いですが、楽曲を聴くに目を閉じらば、スーツとしての"円熟欲求"とブレザーとしての"初期衝動"が熾烈にぶつかり合っているようです。 かなり拮抗しています。 楽曲というものは常にそのぶつかり合いのビッグバンであるべきだと思うし、実際そうなっている様相です。 そんな先輩らにとってこの作品群が10年目の集大成なのか、はたまた10年を経て新たな出発点なのか、心中察するに余りあります。 が、一つ言える事は、これでまた対バンできますね。今から楽しみです。 続きはライブハウスでやりましょう。
渡辺 壮亮/嘘とカメレオン