空想委員会 2012年9月19日発売『僕はまだ必要十分条件を満たしていない。』【特設サイト】

ときどき、自分が生きているかどうかの確証がもてなくなるときがある。何の変化もなく、ただ過ぎていく毎日の繰り返し。だんだんと全てが麻痺していくような感覚すらある。そんなとき、一番効果的かつ簡単に生きている実感を与えてくれるものが「痛み」である。「痛み」とは、脳が危険を察知し、生命を脅かす可能性があるものを排除するために感じる刺激だと考える。生きていることと直結する感覚なのである。生きている実感を得るために「痛み」が欲しい。しかし新しい痛みが怖い人間は「過去の痛み」を何度も思い出し、反芻し、日々を生きる。過去に感じた痛みを自分が扱いやすいように作り変え、それを支えに生きる人間。それが「自演被害依存症」の人間なのである。（三浦）

精神的、肉体的に強い人間ほど、実は脆い。
強い人間は自分の弱さを知っているからこそ強くあろうとするのである。弱い存在が強くあろうと戦い続ける姿は美しい。この曲は、毎日を強く生きようと戦っている全ての女性に向けたものである。それと同時に、一瞬でも弱みを見せたらそこにつけ込まれる危険性を自覚せよ、という戒めの曲でもある。戦い続けるあなたは美しい。しかし、戦い疲れた先に何が待ち受けているのか、それを考えるきっかけになってもらえたら光栄である。（三浦）

誰しもが持っている「消したい記憶」。この記憶というものは実に厄介で、消そうとすればするほど消えずに残り続ける。しかし、考えてみて欲しい。消えればいいものが消えない理由がそこにはあるはずなのである。「消したい記憶」は意味を持っている。その記憶を生かすも殺すも自分次第であるとは考えられないだろうか。この物語は、忘れたいほどの出来事がその後の人生において重要な役割を果たすのではないか、と気付いた男の物語だ。真っ暗闇でもがいているあなたに「消したい記憶」が道標となることを祈る。（三浦）

この曲は、このアルバム全曲の集大成です。全収録曲のイントロのフレーズで構成されています。
タイトルは造語で、冬のダイヤモンドの一等星の名前の頭文字を繋げたものです。俺にとってアルバムは、最初から最後の曲までが一つの物語だと思っています。物語の途中で挿絵のようにこの曲を聴いて欲しいと思って作りました。
全曲聴いた後にもう一度このインストを聴くと、最初に聴いた音と違って聴こえるかもしれません。（佐々木）

「タイムトラベルが可能ならば、やり直したいことがある」
これは誰もが一度は持つ願望であろう。
「あのとき、別の選択をしていたら、今の自分はもっと輝いていたはずだ」
考えれば考えるほど夢は膨らむものの、実際にタイムトラベルを成功させた者はいない。しかしながら、本当に不可能なのだろうか？ここに、過去に舞い戻って歴史を改竄し、今の自分を変えたいと本気で望む男がいる。あなたがもしタイムトラベルをするなら、どうしたいのか。それを考えながら聴いて欲しい１曲である。（三浦）

夜の闇は、心の中の不安を増幅させる力を持つのだろうか。
まるで心の闇と夜の闇が繋がるようだ。
列車は、ただの移動手段のはずなのに、希望に向かって動いている感覚をくれるのだろうか。流れる景色が思考を前向きにさせるようだ。最終列車の中はプラスの力とマイナスの力が同居する、不思議な空間だ。この物語は、最終列車が目的地に着くまでの短い時間の出来事だ。車内には実際に流れる時間とはまた別の時間が流れる。（三浦）

大人になる、ということはどういうことなのだろうか。
年齢を重ねれば大人なのか。
周りの人間が認めれば大人なのか。
大人と子供の境界線とは実に曖昧なものである。
私の勝手なイメージではあるが、大人になるというのは「自分の翼でしっかりと羽ばたき、大空に飛び出す」ことである。今まで地面の上で見ていた広い世界を、別の視点から眺めることで改めて広さを知る。知った上で自分で進む先を決め、自分の力で進む。
ここに、ある少年の歴史がある。
今、彼は自分で道を切り開き、新しい世界へと旅立とうとしている。（三浦）

中学生の頃、音楽雑誌を必死になって読みあさり、やっと出会えた好きな曲、好きなバンド。その時の嬉しい気持ちを思い出すような、懐かしさと、きれいな音像！

前作よりもさらに主張し合いせめぎ合って、混ざり合う楽器たち。新たな挑戦と、進化を感じました！
(ギター、かっこいい！)

なーんにも考えず、ただ手に取って聴いてみて欲しいです！
スッと入ってくるけど、その内容は全くスッとしておらず、手ごわいです！

これからも様々な体験や音楽に揉まれて進化してゆく空想委員会を応援していきます！！

田渕ひさ子

空想委員会「僕はまだ必要十分条件を満たしていない。」
僕は驚いた。デビューから全身全霊で応援してきた空想委員会が今作のミニ・アルバム『僕はまだ必要十分条件を満たしていない。』でバンド・サウンドという「リミッター」が吹っ飛んだ。吹っ飛んだのだ。なぜなら全体を通しバンド・サウンドとして削ぎ落とされ、骨太になり、かつ実験的にも仕上がっているからだ。これはまちがいなくロックバンドとしての成長だ。歴史上の偉大なバンド達も通ってきたこの感じ。しかし根底にある「それ」は、ごくシンプルなものだ。とにかく心地がよい。近年のバンドには不得手である「それ」を今作で彼等は見事に会得し、浄化している。このサウンドとお馴染みで最大の魅力である「等身大の歌詞」の融合は妙技である。三十路の僕をドキドキさせる。ティーンエイジャーや20代はなおさらだろう。なお同時発売のシングル『完全犯罪彼女』と合わせて聴くことをおすすめしたい。そうすれば「僕たちは必要十分条件」が満たされるのだ。

TOWER RECORDS イオンレイクタウン　塙勉

人間は人生においてきっと必要十分条件を満たすことも無く、誰しも完璧にはなれない。過去の痛みや失敗、そこから来る後悔や恐怖を抱え、それでも未来に『自分の正解』を求め続けることは、たとえ歪で時に愚かであったとしても、とても美しいものなのである。
この作品は全曲を通し人生は辛く、悲しく、時に痛みも伴うが、実はとてもかけがえのない魅力的なものなのだと、僕らに訴えかけてくれている。

ディスクユニオンお茶の水駅前店　木邑泰之

今作2タイトルのリリース後には初のワンマンライヴツアーを行うことも決定。9月30日に千葉LOOKで開催されるリリースライヴ『「空想委員会式必要十分条件の証明」公開講座』を皮切りに、11月には仙台、名古屋、大阪、福岡、そしてツアーファイナルは代官山UNITという『全国一斉秋季特別講習ツアー』が展開する。7月20日より先行チケットの発売がスタート、先行販売限定のグッズ付きチケットも販売されているのでこの機会を逃さず入手してもらいたい。